洗濯機にかかる電気代は1か月でいくら?縦型・ドラム式の比較と節約方法
2025.11.07
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洗濯機の電気代は月60円〜2,130円と機種により大きく異なります。縦型・ドラム式・ヒートポンプ式の実際のコストを比較し、年間12,000円以上節約できる8つの実践的な方法と、省エネ洗濯機の選び方を解説します。
家族が増えると、洗濯の回数も比例して多くなります。
「最近、電気代が思ったより高い…」と、請求書を見て驚いた経験はありませんか?
洗濯は毎日の暮らしに欠かせない家事のひとつです。だからこそ、1回の洗濯にどれくらいの電気代や水道代がかかっているのか、そして少しでも節約する方法を知っておくことが大切です。
この記事では、洗濯機のタイプ別に1回あたりおよび1か月あたりの電気代を詳しく解説します。さらに、水道代を含めたランニングコスト全体についても紹介します。
洗濯機の電気代の計算方法
洗濯機の電気代は、次の計算式で求めることができます。
電気代(円)= 消費電力量(Wh) ÷ 1,000 × 電力量料金単価(円/kWh)
消費電力量(Wh)は、洗濯機が1回の運転で使う電力の総量です。この値は、製品のカタログや取扱説明書に記載されています。
電力量料金単価は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が定めた目安単価31円/kWh(税込)を使いますが、実際の単価は、契約している電力会社やプランによって異なる点に注意しましょう。
たとえば、消費電力量が98Whの洗濯機の場合、計算式は次のようになります。
98 ÷ 1,000 × 31 = 約3円
一方、消費電力量が2,290Whの乾燥機能を使った場合は、約71円になります。
また、kW(キロワット)は電力の瞬間的な大きさを、kWh(キロワットアワー)は一定時間使った電力量を示します。この違いを理解しておくと、電気代の仕組みがより明確に理解できるようになります。
【タイプ別】洗濯機にかかる1か月の電気代目安

洗濯機の電気代は、タイプや乾燥機能の有無によって大きく異なります。ここでは、縦型とドラム式、さらに乾燥方式別に1回・1か月あたりの電気代の目安を紹介します。
なお、以下の数値はあくまで目安であり、機種や使用状況によって変動します。1日1回、月30回使用するものとして計算しています。
縦型洗濯機の場合
縦型洗濯機は、洗濯槽が縦向きで水を多く使った「もみ洗い」で汚れを落とすタイプです。泥汚れに強く、本体価格も比較的手頃です。

乾燥機能のない縦型洗濯機は消費電力が低く抑えられます。Panasonic「全自動洗濯機 NA-FA12V3」を例にすると、1回あたりの消費電力量は98Whで、電気代は約3円、月間約90円と経済的です。
縦型にヒーター式乾燥機能が付いたタイプは、高温の熱風で洗濯物を乾かします。Panasonic「洗濯乾燥機 NA-FW10K2」を例にすると、洗濯のみなら1回約2円、月間約60円ですが、洗濯と乾燥を行うと1回あたり約71円、月間では約2,130円にもなります。
縦型のヒーター式は冷却に水を使う機種もあるため、乾燥時には電気代だけでなく水道代も増える傾向があります。
ドラム式洗濯機の場合
ドラム式洗濯機は、ドラムを回転させて洗濯物を持ち上げ落下させる「たたき洗い」で汚れを落とします。少ない水で効率的に洗えるため、節水性が高く、衣類にも優しいのが特徴です。

ドラム式のヒーター式乾燥は、ドラム構造のため縦型より効率的です。Panasonic「ななめドラム洗濯乾燥機 NA-VG780L」を例にすると、洗濯のみなら1回約3円、月間約90円ですが、洗濯と乾燥を行うと1回約70円、月間約2,100円です。
初期費用はヒートポンプ式より安いため、乾燥機能の使用頻度が低い家庭に適しています。
ヒートポンプ式は、熱交換器を使って低温(約60℃以下)で乾燥させる最も省エネ性能が高いタイプです。Panasonic「ななめドラム洗濯乾燥機 NA-LX129CL」を例にすると、洗濯のみなら1回約3円、月間約90円ですが、洗濯と乾燥を行っても1回約42円、月間約1,260円と、ヒーター式の半分です。
ヒートポンプ式は低温乾燥なので衣類が傷みにくく、縮みにくいというメリットもあります。乾燥機能を頻繁に使う家庭にとって、ランニングコストを大幅に削減できる最適な選択肢です。
洗濯機にかかる水道代はいくら?
洗濯機を使う際は、電気代だけでなく水道代も大きなコストになります。水道代は次の式で計算できます。
洗濯機の水道代(円)= 標準使用水量(L)× 水道単価(円/L)
水道単価は地域によって異なりますが、ここでは東京都水道局が示す目安である0.24円/L(水道料金と下水道使用料を含む)を使います。
出典:東京都水道局「節水について」(https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/faq/qa-11)
こちらの記事では、洗濯乾燥機の電気代について解説しています。 浴室乾燥機や除湿器と比較も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
縦型洗濯機の水道代の目安
縦型洗濯機は、洗濯槽に水を溜めて「もみ洗い」をするため、比較的多くの水を使用します。たとえば、標準使用水量が150Lの機種を使う場合、1回あたりの水道代は約36円となります。月に30回使うと、約1,080円の水道代がかかることになります。
また、縦型のヒーター式乾燥機能がついていて、水冷除湿方式を採用している機種では、乾燥時にも水を使用するため、水道代がさらに増えることがあります。
ドラム式洗濯機の水道代の目安
ドラム式洗濯機は、少ない水で効率的に洗う「たたき洗い」を行うため、使用水量が大幅に少なくなります。たとえば、標準使用水量が83Lの機種の場合、1回あたりの水道代は約20円です。月に30回使用しても、約600円となり、縦型洗濯機よりも約480円安くなります。
また、乾燥機能を使用しても、ドラム式では水道代が増えることはほとんどありません。
縦型洗濯機とドラム式洗濯機の電気代・水道代の目安比較
これまで見てきた電気代と水道代をまとめて、縦型洗濯機とドラム式洗濯機のランニングコストを比較してみましょう。

この表から、ヒートポンプ式ドラム式洗濯機が総合的なランニングコストで最も優れていることがわかります。1回あたり約61円と、縦型ヒーター式の約108円と比べて約6割です。 乾燥機能を頻繁に使う家庭にとって、ヒートポンプ式ドラム式への買い替えは、長期的に見て最良の選択肢と言えるでしょう。
洗濯機の電気代を節約するための8つのポイント

洗濯機の電気代を抑えるには、日々の使い方を少し工夫することが大切です。ここでは、今日から実践できる8つの節約術を紹介します。
なるべくまとめ洗いをする
洗濯回数を減らすことは、電気代と水道代の両方を節約する最も効果的な方法です。
資源エネルギー庁のデータによると、まとめ洗いをすることで年間約4,510円の節約(電気代+水道代)が見込めます。少量の洗濯物を毎日洗うよりも、2日分をまとめて洗う方が効率的です。
ただし、洗濯槽に詰め込みすぎると、汚れが落ちにくくなり、かえって洗い直しが必要になることがあります。目安としては、洗濯槽の容量の7〜8割程度を守ることが大切です。適量を守ってまとめ洗いをすることで、洗浄力を保ちながら節約もできます。
出典:資源エネルギー庁「家庭向け省エネ関連情報 無理のない省エネ節約」(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/cleaning/index.html)
洗剤を入れすぎない
洗剤の量が多すぎると、すすぎに時間がかかり、余分な水と電力を消費してしまいます。洗剤は「多いほど汚れが落ちる」というわけではなく、適量を守ることで洗浄効果を最大限に発揮します。
最近では「すすぎ1回対応」の洗剤も多く販売されています。こうした洗剤を活用すれば、すすぎの回数を減らせるため、水道代と電気代の両方を節約できます。
洗濯コースを使い分ける
洗濯機には「標準コース」「お急ぎコース」「スピードコース」「念入りコース」など、さまざまな運転モードが搭載されています。これらを上手に使い分けることで、電気代や水道代を無理なく節約できます。
一方で、泥汚れや油汚れなど、しっかり洗いたい衣類には標準コースやしっかり洗いコースを使用することが適しています。汚れの度合いに応じてコースを切り替えることで、必要以上のエネルギーを使わず、効率的に洗濯ができます。
このように、洗濯コースを目的に合わせて選択することで、洗浄力を保ちながら光熱費を上手にコントロールできます。
ある程度乾いたら自然乾燥させる
洗濯機の中でも乾燥機能は、最も多くの電力を消費します。そのため、乾燥機をフル稼働させると、1回あたりの電気代が大きくふくらみやすくなります。電気代を抑えたい場合は、自然乾燥をうまく組み合わせることが効果的です。
たとえば、資源エネルギー庁のデータによると、8時間自然乾燥した後に補助的に乾燥機を使うと、最初から乾燥機を使う場合と比べて年間約12,230円の節約効果があるとされています。
天気のよい日は、外干しや部屋干しで衣類をある程度まで乾かし、最後の仕上げだけを乾燥機に任せましょう。この「半乾き+乾燥仕上げ」の方法であれば、乾燥時間を大幅に短縮でき、電気代だけでなく機械への負担も減らせます。
フィルターをこまめに掃除する
乾燥機能を使用する際に見落とされがちなのが、フィルターの清掃です。フィルターがホコリや糸くずで詰まると、内部の空気の流れが悪くなり、乾燥にかかる時間が長くなります。その結果、余分な電力を消費し、電気代が上がってしまいます。
そのため、使用するたびにフィルターを取り外してホコリを取り除く習慣をつけることが大切です。 掃除機やブラシを使うと手軽にきれいにできます。月に一度は、フィルター全体を水洗いして乾かすことで、通気性を長期間保てます。
電気代の安い時間帯に洗濯する
電力会社によっては、時間帯別に電気料金が変動するプランを提供しています。こうしたプランを活用すれば、電気代の安い時間帯に洗濯機を稼働させることで、大きな節約効果が期待できます。
たとえば、夜間割引プランを利用すれば、深夜や早朝の電気代が割安になります。予約運転機能を使えば、外出中や就寝中に自動で洗濯が完了します。
また、市場連動型プランを利用している場合は、電力需要の少ない時間帯(オフピークタイム)を狙って洗濯するのが効果的です。在宅ワークなどで日中も家にいることが多い方は、午前中や午後の需要が落ち着いた時間帯を選ぶとよいでしょう。
スマート家電や専用アプリを活用すれば、リアルタイムで電力単価を確認しながら、最適なタイミングで洗濯を行うことができます。時間帯を工夫するだけで、同じ洗濯回数でも電気代を大きく抑えられる可能性があります。
電力会社や料金プランを見直す
洗濯機の使い方を工夫することも大切ですが、電気料金プランを見直すことが、最も効果的な節約方法です。毎月の電気代を抑えるためには、まず家庭のライフスタイルに合った料金プランを選ぶことが重要です。
もし日中に在宅していることが多いのであれば、イデックスでんきのマーケットプランがぴったりです。このプランは、電力需要の少ない時間帯に電気代がお得になるため、昼間の洗濯や家電使用時に大きな節約効果を得られます。
イデックスでんきは解約金がないため、気軽に試せるところもポイント。もしプランが合わなければ、簡単に変更できる安心感もあります。
今すぐ公式サイトでシミュレーションを行い、どれくらい節約できるかを確認しましょう。
電気代を節約できる洗濯機の選び方
電気代を節約するうえで、洗濯機の選び方は非常に重要です。消費電力量の少ないモデルを選ぶことで、毎月の光熱費を大きく削減できます。
ここからは、電気代を抑えられる洗濯機を選ぶ際の具体的なポイントを解説します。
消費電力量が小さい機種を選ぶ
洗濯機のカタログには「年間消費電力量」が記載されています。
この数値が小さいほど、エネルギー効率が高く、電気代を抑えることができます。同じ乾燥方式でも機種によって消費電力に差があるため、購入前に複数の製品を比較することをおすすめします。
エネルギー効率のよい洗濯機を選べば、長期的に見て大きな節約が期待できます。
人数や洗濯量に適した容量を選ぶ
容量が小さすぎると洗濯回数が増え、電気代がかさみます。一方で、大きすぎる容量を選ぶと、無駄に電力を消費することになります。洗濯機の容量は、目安として「人数 × 1.5kg」を参考にしましょう。
たとえば、3人家族の場合、4.5kg以上の容量が適しています。また、洗濯槽の7〜8割を目安にすると、最も効率よく洗濯ができます。適切な容量を選ぶことで、無駄な電力消費を避け、効率的に洗濯できます。
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機を選ぶ
乾燥機能をよく使用する家庭には、ヒートポンプ式のドラム式洗濯機がとくにおすすめです。ヒートポンプ式は、ヒーター式と比べて消費電力が大幅に少なく、年間で1万円以上の電気代を節約できることもあります。この節約効果は、長期的に見て大きなメリットです。
さらに、低温で乾燥させるため、衣類が傷みにくく、縮みを抑えることができるという点も魅力的です。頻繁に乾燥機能を使用する家庭にとって、ヒートポンプ式は非常にコストパフォーマンスのよい選択肢となるでしょう。
省エネ機能付きの洗濯機を選ぶ
最近の洗濯機には、「省エネモード」や「エコ乾燥」など、電力を抑えながら運転できる機能が搭載されています。これらの機能を活用すれば、通常モードと比べて消費電力を大幅に削減できます。
日々の洗濯をするなかで、こうした省エネ機能を上手に使うことで、長期的に見ると大きな節約が実現できます。
購入前には、どのような省エネ機能が搭載されているかを確認することが大切です。省エネ性能が高い機種を選ぶことで、毎月の電気代を抑え、家計に優しい選択ができます。
まとめ
洗濯機の電気代は、機種のタイプや乾燥機能の有無、そして日々の使い方によって大きく変わります。とくに乾燥機能を使用する場合、ヒートポンプ式ドラム式洗濯機は電気代を大幅に抑えることができるため、長期的に見ても最も経済的な選択肢となります。
日々の使い方では、まとめ洗いや適量の洗剤使用、フィルター掃除、時間帯の工夫など、ちょっとした心がけで電気代を削減できます。とくに、電気代の安い時間帯に洗濯することや自然乾燥を併用することは、すぐに実践できる効果的な節約術です。
さらに、最も重要なのは電力会社や料金プランの見直しです。
九州エリアにお住まいの方には、イデックスでんきのマーケットプランがおすすめです。市場連動型の料金体系により、電力需要の少ない時間帯に電気代が安くなるため、在宅ワークや育児で日中も家にいる方にとって大きなメリットがあります。
また、イデックスでんきでは電気料金に応じて共通ポイントが貯まりますので、日々の電気代でポイントを効率的に貯めることができます。電気代の見直しをお考えの方は、ぜひご相談ください。