暖房の設定温度はどうすればいい? 快適な温度の目安と空間づくりのコツを解説

2025.07.15
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暖房の設定温度は、快適さと省エネを両立するため、20度を目安とするよう推奨されています。設定温度20度でも快適に過ごすコツや、賢く電気代を節約する方法まで解説します。

冬場の暖房温度の設定は、家族の健康や部屋の快適さに影響する一方で、家計に直結する電気代も気になるところです。とくに、体温調節機能が未発達な乳幼児や、加齢によって機能が低下する高齢者がいる家庭では、そのバランスに頭を悩ませる方も多いでしょう。

この記事では、暖房の適切な設定温度から、室温20度でも快適に過ごすための具体的な工夫、さらに電気代を賢く節約する方法まで幅広くご紹介します。快適さを保ちながら無理なく電気代を抑えたい方は、ぜひ参考にしてください。

暖房の適切な設定温度は?

暖房の設定温度について疑問をお持ちの方は多くいるでしょう。以下では、快適かつ効率的な暖房の設定温度の目安をご紹介します。

環境省で推奨される暖房の設定温度は20度

環境省では、快適さを保ちつつ省エネルギーを目指すため、冬季は室温20度を目安にすることを推奨しています。これは、地球温暖化対策の一環として提唱されている「ウォームビズ」という取り組みの一環です。

ウォームビズでは、冬の暖房時の室温を20度にすることで、快適に過ごせるだけでなく、省エネにもつながるとされています。暖房の場合は、設定温度をたった1度下げるだけで、消費電力を約10%削減できるといわれており、年間で計算するとかなりの電気代節約につながる可能性があります。

出典:「デコ活 くらしの中のエコろがけ」(環境省)(https://ondankataisaku.env.go.jp/decokatsu/warmbiz/about/
出典:「家庭部門のCO2排出実態統計調査 家庭のエネルギー事情を知る」(環境省) (https://www.env.go.jp/earth/ondanka/kateico2tokei/energy/detail/06/

日中は20~22度、就寝時は18~20度の設定を推奨

環境省の推奨温度を踏まえつつ、より快適に過ごすための具体的な目安として、以下の設定温度が推奨されています。

室内で活動する日中の時間帯は、20〜22度を目安に設定しましょう。とくに小さいお子さんや高齢者がいる家庭では、活動量や体温調節機能の違いを考慮し、温度を設定することが大切です。過度な温度設定は電気代がかさむ原因となるため、22度を超えないよう、重ね着やひざ掛けなど衣類で上手に体温調整しましょう。

また、就寝時は体温が下がることで眠りにつきやすくなるといわれています。そのため、就寝時は日中よりも少し低めの18〜20度を目安に設定すると、快適な睡眠をサポートしてくれるでしょう。小さいお子さんがいる家庭では、寝冷えが心配になるかもしれませんが、布団や寝具、パジャマなどで調整し、できるだけ室温を下げることを意識してみてください。

各家庭の温度設定の平均は?

環境省の「最もよく使う暖房機器(エアコン(電気))の設定温度(令和4年度)」の調べによると、全体平均は22.6度でした。また、半数以上の世帯は暖房の設定温度を23度以下としており、約27%は20度以下としています。

このデータから、多くの家庭が環境省の推奨温度に近い範囲で調整していることがわかります。現在24度や25度に設定している場合、まずは1度下げてみて快適さが維持できるか確認してみましょう。

出典:「家庭部門のCO2排出実態統計調査 家庭のエネルギー事情を知る」(環境省) (https://www.env.go.jp/earth/ondanka/kateico2tokei/energy/detail/06/

設定温度が20℃でも寒く感じる!なぜ?

環境省が推奨する冬場の室温は20度ですが、この温度では寒いと感じる方もいるでしょう。設定温度の20度が寒いと感じるのは、主に「場所によって温度差があるから」そして「湿度によって体感温度が変わるから」という2つの理由が考えられます。以下で、その理由について詳しく解説します。

場所によって温度差があるから

暖房の設定温度を20度にしていても、部屋全体が均一にその温度になっているとは限りません。

窓やドアの隙間からは冷気が侵入しやすいため、室温にはムラが生じることがあります。とくに、断熱性の低い住宅や、吹き抜けなど天井の高い部屋では、暖かい空気が上部に滞留しやすく足元が冷えやすい傾向にあります。

また、日当たりのよい場所とそうでない場所でも体感温度は異なり、暖房の風が当たらない場所も寒く感じやすいです。

湿度によって体感温度が変わるから

体感温度は、室温だけでなく湿度も大きく影響します。

一般的に、湿度が低いと温度は下がるといわれています。空気が乾燥していると体からの水分蒸発量が増し、体温が奪われるためです。一方、適度な湿度であれば室温が20度でも25度程度の暖かさを感じるといわれています。

とくに冬場は空気が乾燥しやすいため、加湿器などの使用で湿度を適切に保つことが、快適さを得るうえでは重要です。快適な湿度の目安は50〜60%とされています。

湿度が不足することにより空気が乾燥すると、快適性が損なわれるだけでなく、インフルエンザウイルスの活動が活発になったり、静電気が発生しやすくなったりと、健康面や日常生活にもさまざまな影響が出ることがあります。

暖房の設定温度が20℃でも快適に過ごすコツ

「電気代を節約したいけど、寒さも我慢したくない」とお考えの方に、暖房の設定温度が20度でも快適に過ごすための効果的なコツをいくつかご紹介します。

サーキュレーターを使う

空気は、暖かいと上に、冷たいと下に溜まりやすいという性質があります。暖房をつけていても足元が冷えるのは、この空気の性質が原因です。

そこで、サーキュレーターをエアコンの斜め対角線上に置き、エアコンに向かって風を送ることで、天井に溜まった暖かい空気を効率よく循環させ、部屋全体の温度ムラを軽減できます。足元に暖かさが届くと、設定温度が20度でも快適に過ごせるでしょう。

湿度を上げる

体感温度は、室温だけでなく湿度にも大きく左右されるため、空気が乾燥していると実際の室温より寒く感じてしまいます。加湿器を使用し、快適な湿度である50〜60%を目指しましょう。

加湿器がない場合、濡れたタオルを干したり、洗濯物を部屋に干したりするだけでも効果があります。

エアコンのフィルターをこまめに掃除する

エアコンのフィルターにホコリが溜まっていると、空気の吸い込みや吐き出しが悪くなり、暖房効率が低下し、無駄な電気代がかさむ原因にもなります。設定温度を上げてもなかなか部屋が暖まらないという場合は、一度エアコンのフィルターを確認してみてください。

また、自動お掃除機能が付いているエアコンであっても、機能に任せきりにせず、定期的に自分でフィルターの状態を確認し、掃除しましょう。本格的なシーズンが始まる前に掃除するだけでなく、使用期間中も月1〜2回程度の頻度で掃除することをおすすめします。

断熱性を上げる

暖房効率を高めるためには、部屋の断熱性を上げることも重要です。とくに、窓は熱の出入りが多い箇所のため、厚手のカーテンや断熱シートなどを使用し、窓からの冷気の侵入を防ぎましょう。

また、ドアの隙間や壁の隙間を通じて侵入する冷気を防ぐため、スキマテープの活用も効果的です。

室外機の周辺をふさがないようにする

エアコンの室外機は、室内の熱を効率よく室外に放出したり、室外の熱を取り込んで室内に送ったりする重要な役割を担っています。

そのため、室外機の周辺にものが置かれていたり、植物などで覆われていたりすると、空気の循環が妨げられ暖房効率が低下してしまいます。室外機の周辺は、十分なスペースを確保しておきましょう。

また、寒冷地の場合は雪で室外機が埋もれてしまわないよう、こまめな除雪や防雪フードの設置をおすすめします。

暖房の電気代を節約する方法

暖房費を賢く抑えることは、家計にとって大きなメリットになります。

以下では、設定温度を無理なく下げながらも快適に過ごし、さらに電気代を節約するための具体的な方法を7つご紹介します。 

①自動運転モードに設定する

電気代を気にするが故に、エアコンを弱運転に設定する方もいますが、実は自動運転モードが最も省エネ効果が高いことをご存じでしょうか。

エアコンは、運転を始めてから設定温度に到達するまでの立ち上がりの際に、最も多くの電力を消費します。弱運転では、設定温度に到達するまでに時間がかかるため、その分電気代が余計にかかってしまうことがあるのです。

一方、自動運転モードは設定温度まで効率よく到達させ、その後は消費電力を抑えながら快適な室温を保つよう調整される仕組みです。弱運転で使用するより、無駄な消費電力を抑えられるでしょう。

②風向きは下向きにする

前項でも解説したように、空気には暖かいと上に溜まりやすく、冷たいと下に溜まりやすい性質があるため、暖房の効いた室内では足元が冷えやすいです。

そこで、暖房を使用する際には風向きを「下向き」に設定しましょう。暖かい空気が床に届くと、部屋全体が効率よく暖まります。サーキュレーターを併用すると、より効果的です。

③ほかの暖房器具を併用する

冬場の暖房をエアコンだけに頼らず、ほかの暖房器具を上手に併用することも電気代節約につながります。たとえば、パワーのあるエアコンで部屋全体を素早く暖めた後、消費電力の少ない電気毛布やホットカーペット、こたつなどを活用して、体の一部をピンポイントで温めるとよいでしょう。

また、ひざ掛けやマフラー、ルームシューズなどであれば、電気を使用しないため、より節電効果が得られます。とくに、首、手首、足首の「三つの首」と呼ばれる部分には太い血管が通っているため、ここを重点的に暖めることで、全身を効率よく温められます。

④頻繁に温度を変えない

部屋がちょっと暖まってきたからと温度を下げたり、またちょっと寒くなってきたからと温度を上げたり、頻繁に設定温度を変更しないようにしましょう。エアコンは、設定温度を変えるたびに多くの電力を消費します。とくに、大幅な温度変更はより多くの電力を消費するため、注意が必要です。

自動運転モードを使用し、暑い・寒いと感じる場合は、衣類を羽織ったり脱いだりして体感温度を調整しましょう。

⑤短時間でON・OFFにしない

節約のために外出のたびにON・OFFしているという方もいますが、実は短時間のON・OFFは無駄な電力消費につながる可能性があります。

前述のとおり、エアコンは電源を入れた直後から設定温度に到達するまでの立ち上がりに最も多くの電力を消費するためです。30分程度の外出であれば、つけっぱなしの方が電気代が抑えられるとされています。外出時間に応じてつけっぱなしにするか、OFFにするか判断しましょう。

⑥古いエアコンは買い替える

長年使い続けている古いエアコンは、最新のモデルに比べて消費電力が大きい傾向にあります。エアコン技術の進歩により、新しいものは省エネ性能が格段に向上しているためです。

たとえば、10年前のエアコンと最新のエアコンでは、年間の電気代に数千円~1万円以上の差が出ることも珍しくありません。エアコンが古くて効きが悪くなってきたと感じるのであれば、買い替えを検討してみましょう。初期費用はかかりますが、長期的に見れば電気代の節約につながります。

⑦電力会社の乗り換えを検討する

電気代を節約したい場合は、暖房の使い方を工夫するだけでなく、契約している電力会社や料金プランを見直すこともおすすめです。2016年の電力自由化以降、さまざまな電力会社や料金プランが登場しています。

ライフスタイルに合ったプランを選べば、電気代を大幅に削減できる可能性があります。多くの電力会社では、ウェブサイトで簡単に電気代のシミュレーションができるサービスを用意しています。まずは、今の電力会社やプランが自宅に合っているか、一度確認してみてください。

イデックスでんきでは、昼間の電気がお得になりやすい「マーケットプラン」をご用意しています。電気代を抑えるために、ただ我慢する時代はもう終わり。マーケットプランなら電気を使う「時間」を変えるだけで、毎月の電気代を賢くコントロールできます。

イデックスでんきでは、LINEから簡単にMYページへのログインが可能です。 電気料金の確認だけでなく、お得なクーポンも配信しています。

暖房代の節約に活用したいアイテム

暖房の設定温度を最適化したり、エアコンの使い方を工夫したりするだけでなく、手軽なアイテムを取り入れることでも暖房効率を上げ、電気代を節約できます。

以下では、活用したいアイテムをご紹介します。

窓ガラスフィルム

窓は、室内の熱が逃げやすい場所のひとつです。窓ガラスフィルムは、外からの冷気の侵入を抑え、室内の暖かい空気が室外に逃げるのを防ぐ効果があります。とくに古いサッシや単層ガラスの窓には効果的で、貼るだけで手軽に断熱性を高められます。

断熱・保温カーテン

通常のカーテンより厚手の断熱・保温カーテンは、窓からの冷気をシャットアウトし、室内の暖かさを閉じ込める効果があります。床に届くくらいの丈の長いものを選び、窓をすっぽり覆うように使うとより効果的です。

カーペット・ラグ

足元が冷えやすい冬の時期には、カーペットやラグといった床からの冷気を遮断するアイテムが効果的です。カーペットやラグは床の暖まった熱を留める効果もあるため、暖房効率の向上にもつながります。小さなお子さんがいるご家庭では、床で遊ぶ際の冷え対策としても有効です。

あったかアイテム

電気を使わずに体を温めてくれるアイテムは、電気代節約の強い味方です。たとえば、ひざ掛け・ブランケット、ルームシューズ・厚手の靴下、湯たんぽ・カイロなどが挙げられます。これらを上手に活用することで、エアコンの設定温度を上げることなく、快適に冬を過ごせるでしょう。

まとめ

環境省では、快適さと省エネルギーを両立するため、冬季は室温20度を目安にすることを推奨しています。サーキュレーターで室内の空気を循環させたり、加湿器で適切な湿度を保ったりして、20度でも快適に過ごせるよう工夫しましょう。

電気代を節約したいのであれば、電力会社の見直しも有効です。イデックスでんきは、長年にわたり九州エリアのエネルギーを支えてきました。

時間帯を賢く工夫すれば電気料金をグッと押さえられる「マーケットプラン」や、さまざまな割引や特典も実施しています。Myページでは電力使用量を簡単に確認していただけるため、無理なく・楽しみながら節電に取り組めます。

電気代を節約したいとお考えの方は、シミュレーションで電気代がどのくらい安くなるのか、お試しください。

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