kWhとは?ほかの単位との違いや計算方法について解説
2025.07.01
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kWh(キロワット時)とは電気量を表す単位で、電力×時間の計算式で電力量を求めます。本記事では、kWhの定義をはじめ、W(ワット)やkW(キロワット)などの電気にまつわる単位、節電方法について解説しています。
昨今は、電気料金の値上がりが続いており、どのように節電すればいいのかと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。電気料金の計算をする際に使われるのが、kWh(キロワット時)と呼ばれる単位です。
本記事ではkWhの意味やW(ワット)やkW(キロワット)といったほか電気にまつわる単位との違い、家電ごとの節電術などを紹介します。節電に取り組みたい方はぜひ参考にしてください。
kWhとは
kWhとは、電力量の単位で「キロワット時」とも呼ばれ、電気料金の請求書でよくみられます。電力会社の料金は「1kWhにつき⚪︎⚪︎円」と設定されているのが一般的です。そのため、電気代の計算をする際には、この単位を理解しておく必要があります。
また、冷蔵庫や洗濯機など、長時間使用する家電のカタログや省エネラベルにもkWhの表記があります。kWhの定義とは、1kW(1,000W)の電力を1時間使ったときの電力量が1kWhのことです。たとえば4kWの電力を5時間使用した場合の電力量は、以下のとおりです。
● 4kW×5時間=20kWh
kWhを理解すれば、自分がどれだけ電気を使っているかを把握しやすくなり、電気代の管理にも役立ちます。
WやkWとの違い
kWh(キロワット時)とよく混同されるのが、W(ワット)やkW(キロワット)といった単位です。いずれも電気に関する単位ですが、それぞれが表す意味は異なります。
W(ワット)とは、1秒あたりの消費電力を表す単位のことです。電流のA(アンペア)と電圧のV(ボルト)を掛け合わせることで求められます。
たとえば、V(ボルト)が100、A(アンペア)が1の場合、W(ワット)は100です。W(ワット)の数値が大きいほど、同じ時間内に多くの電力を消費することになります。
kW(キロワット)はW(ワット)の1,000倍の単位です。瞬間的な消費電力を示し、1kW=1000Wで、たとえば100Wは0.1kWとして表せます。
ほかの電気にまつわる単位
kWhやW、kWのほかにも、電気にまつわる単位はさまざまです。代表的なものとして、以下の2つが挙げられます。
● A(アンペア)
● V(ボルト)
これらの単位も、kWhやW、kWとは意味が異なります。それぞれの特徴を順番にみていきましょう。
A(アンペア)
A(アンペア)は、電気が流れる量=電流の大きさを表す単位です。電力会社との契約でよく見かける単位で、契約アンペア数が増えると基本料金も上がります。
これは、たくさんの電気を使えるようにするために、電力会社がより多くの電気を送る必要があるからです。アンペア数が大きいほど多くの電気が流れるため、配線や機器にかかる負荷も増加します。
逆に、必要以上に高いアンペア数の契約は、無駄なコストや機器への負担につながる可能性があります。自分の生活スタイルに合ったアンペア数を選ぶことで、電気代を抑えつつ、機器の寿命が極端に短くなるリスクを減らせます。
V(ボルト)
V(ボルト)は電圧=電気を押し出す力を表す単位です。電圧が高いと、より多くの電気を流せますが、家電製品はそれぞれ決められた電圧で使うよう設計されています。
電圧が高すぎると機器が破損するおそれがありますが、逆に電圧が不足すると、機器が正しく作動しません。そのため、製品に適した電圧で使用する必要があります。
また、国や地域によって家庭用で使われている電圧は異なります。
● 日本:100〜200V
● アメリカ:120〜240V
● 中国:220V
● オーストラリア:230V〜240V
旅行や海外での製品使用時は、電圧の違いに注意しましょう。
電気代の料金について
電気代の計算をする際に使用するのはkWh(キロワット時)です。ここでは、kWhと電気代の関係、電気代の内訳について紹介します。
電気代の構造
電気代は単に「電気を使った量」だけで決まるわけではありません。たとえば、ケーキの価格が、材料費だけでなく人件費や運搬費なども含めて決まっているのと同じように、電気代にもさまざまな要素があります。
主な構成は以下の4つです。
● 最低料金:毎月一定額がかかる基本料金
● 電力量料金:使った電気の量(kWh)に応じて発生
● 燃料費調整額:石油や天然ガスなど、火力発電の燃料の価格変動を反映
● 再生可能エネルギー発電促進賦課金:太陽光や風力など再生可能エネルギー普及のための費用
これらの要素のうち、自分で節約や対策ができるのは電力量料金です。毎日の使い方を意識すれば、電気代の節約につながります。
電気代とkWhの関係性
kWhは電気の使用量を示す単位であり、電気代はその使用量に応じて決まります。以下に、kWhの求め方とkWhを用いた電気料金の計算式を紹介します。
● 電力(kW)= 電圧(V) × 電流(A) ÷ 1000
たとえば、電圧が100V、電流が30Aの場合、電力は3kWです。
● 電気代(円)= 使用電力量(kWh) × 1kWhあたりの単価(円/kWh)
たとえば、使用量が300kWhで、単価が10円の場合、電気代は200×10=3,000円になります。ただし、実際の請求額には、燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金なども加わるため、ひとつの目安となります。
家電による電気代の節約方法
ここでは、電気代の節約方法を家電ごとに紹介します。
● エアコン
● 冷蔵庫
● 洗濯機
● テレビ
● 照明
● 掃除機
それぞれの家電には、すぐに実践できる節電のコツがあります。
エアコン
エアコンは室内の温度や湿度を調整する便利な家電ですが、使用頻度が高まる夏場は電気代の原因になりやすいです。少しの工夫で大きな節電につながるため、以下のポイントを意識しましょう。
● フィルターをこまめに掃除する
● 設定温度を適切に保つ
● 室外機の周囲に物を置かない
フィルターにホコリがたまると、効率が落ちて余分な電力を使う原因になります。定期的な掃除で、冷暖房の効果を保ちましょう。エアコンは、設定温度によっても消費電力が異なります。夏は冷やしすぎず、冬は暖めすぎないように調整するだけで消費電力を抑えられます。
また、室外機のまわりに植木鉢や段ボールなどを置くと、排気が妨げられ効率が下がります。周囲は常に風通しのよい状態を保つことが大切です。
冷蔵庫
冷蔵庫も、毎日使うため電気代に直結する家電です。以下のような使い方で、電気代を抑えられます。
● 熱いものは冷ましてから入れる
● ドアの開閉はできるだけ減らす
● 食品を詰め込みすぎない
暖かいままの料理を入れると庫内の温度が上がり、冷却に余計な電力がかかります。調理後は常温まで冷ましてから冷蔵庫に入れましょう。
また、ドアの開け閉めが多いと冷気が逃げて効率が下がります。必要なものはあらかじめ把握して、手早く取り出すように意識することが大切です。食品を詰め込みすぎると空気の流れが悪くなり、庫内全体の温度が均一になりません。適度な余裕を持たせて収納すると冷却効率が高まります。
洗濯機
洗濯機も、日常的に使う家電のひとつです。電気代を抑えるためには、以下の方法が効果的です。
● 洗濯の頻度を見直す
● 一度に大量の洗濯物を詰め込みすぎない
一人暮らしなどで洗濯物の量が少ない場合は、2〜3日に一度のペースにすることで、洗濯回数を減らせます。その分、消費電力も抑えられます。汚れが軽い衣類は、手洗いを検討するのもよいでしょう。
また、洗濯物を詰め込みすぎると洗濯機の効率が落ち、電力を多く消費してしまいます。電気代を抑えるには、洗濯物を詰め込みすぎない配慮が必要です。
テレビ
つけっぱなしで使用されることも多いテレビは、こまめに消す以外にも節約できるポイントがあります。
● 使用しないときはコンセントを抜く
● タイマー機能を活用する
テレビを使用していない間も待機電力が発生するため、こまめにコンセントを抜いておくと節電につながります。また、就寝前などはタイマー機能を設定しておくことで、観ながら寝てしまっても無駄な電力消費を防げます。
照明
日常的に使用する照明も、使い方を工夫すれば電気代の節約につながります。代表的な方法は以下のとおりです。
● LED照明に切り替える
● 使わないときはこまめに消す
LEDは消費電力が少なく、寿命も長いため、長期的にみると電気代の削減に効果があります。また、不要なときは照明をこまめに消す習慣をつけましょう。うっかり消し忘れてしまう場合は、注意喚起の張り紙や人感センサーの導入も効果的です。
掃除機
掃除機があれば、手間がかかる掃除も効率よく進められる一方で、電気代がかかる家電のひとつです。以下は、掃除機の電気代を節約する方法です。
● 稼働時間を短くする
● ほうきや雑巾を活用する
掃除機の使用時間を短縮すれば、それだけ電力消費も減り、電気代の節約につながります。稼働時間を減らすためには、床の上に物を置かず、掃除しやすい環境を整えます。物が散らかっていると、掃除機の移動に時間がかかり、余分な電力を使ってしまうためです。
また、ほうきや雑巾を使えば電気代はかかりません。多少手間はかかりますが、部屋の隅にたまったホコリ、掃除機では落としにくい汚れの除去にも役立ちます。必要に応じて取り入れるとよいでしょう。
生活全体における電気代の節約方法
家電の使い方を工夫するだけでも電気代を抑えられますが、節電対策はそれだけには限りません。ここでは、日常生活全体を見直すことで実践できる節約方法を紹介します。
省エネ家電に買い替える
効果的な方法のひとつが、省エネ家電への買い替えです。「現在所有している古い家電を大切に使った方が節約になる」と思われやすいですが、実際にはそうとは限りません。
古い家電のなかには消費電力が大きく、効率の悪いものもあります。そのまま使い続けると必要以上の電力を使ってしまい、結果的に電気代がかさむことになります。
一方、省エネ家電は消費電力が少なく、効率的に稼働します。初期費用はかかりますが、長い目でみれば電気代の節約につながる可能性が高いです。
季節ごとに家電の使い方を見直す
電気代を抑えるには、季節に応じて家電の使い方を見直すのも大切です。たとえば、夏のエアコン使用や冬の暖房など、季節によって使用頻度が変わる家電があります。
とくに、引越や生活スタイルの変化があった直後は、以前の使い方があわなくなっている場合があります。一度、日常的に使っている家電と使用状況を見直し、無駄な電力消費がないか確認してみましょう。
電気代の支払い方法・料金プランを見直す
電気料金の支払い方法や料金プランを見直しましょう。口座振替に限らず、クレジットカードや電子マネーで支払うとポイント還元が受けられる場合があります。なかには、公共料金の支払いにボーナスポイントが付与されるクレジットカードもあるため、各社の条件を比較して選びます。
また、契約中の電力会社の料金プランも定期的に見直しましょう。ライフスタイルに合わないプランを契約していると、必要のないサービス料が加算されていたり、他社よりも割高な電気代を支払っていたりするケースもあります。
こまめに家電の手入れを行う
家電の手入れはこまめに行いましょう。家電は手入れを怠ると、稼働効率が悪化してしまい余計な電力を消費してしまいます。
代表的な例がエアコンです。フィルターを掃除せずに使い続けると、電力を多く消費するだけでなく、カビやホコリが空気中に広がり、衛生面でも問題が生じます。これでは、家計にも健康にも優しくありません。
定期的な手入れによって、家電は本来の性能を発揮します。ただし、製品によっては自己流の掃除が故障の原因になる場合もあります。取扱説明書を確認し、不安がある場合は専門業者に相談しましょう。
日々の電気使用量を確認する
日々の電気使用量を確認する習慣を持つと、何に電力を使っているかが明確になり、節電意識が高まります。
多くの電力会社では、公式サイトやアプリで使用料の確認が可能です。月ごとの推移をグラフで表示してくれるサービスもあり、毎月の電気使用量を視覚的に把握しやすい工夫がなされています。こうしたツールを活用すれば、無駄な使用に気づきやすくなります。
イデックスでんきでは、LINEから簡単にMYページへのログインが可能です。 電気料金の確認だけでなく、お得なクーポンも配信しています。
電気の料金プランを見直す際に確認すべきポイント
電気料金は、利用しているプランによって金額が異なります。ここでは、料金プランを見直す際に確認しておきたい主なポイントを解説します。
現在契約しているプラン
電気料金プランを見直す際には、まず現在契約しているプランを確認することが重要です。電力自由化以降、各社がさまざまなプランを提供しており、生活スタイルに合わないプランを使い続けていると、割高な電気代を支払っている可能性があります。
また、電気使用量や時間帯によって最適なプランは変わるため、以前の契約内容が現在の生活に合っていないケースも少なくありません。定期的に見直すことで、無駄な出費を抑え、電気代を効果的に節約できます。
こちらの記事では、電気代の平均について解説しています。 人数別に紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。
電気をよく使う時間帯
電気をよく使う時間帯も、プラン選びの大切な判断基準です。電力会社によっては、時間帯ごとに単位が変わるプランを提供しています。
たとえば、夜に家電を多く使うライフスタイルの方には、夜間電気代が安くなるプランが適しており、無理なく電気代を抑えられるでしょう。
このような時間帯別電灯プランは、大手電力会社から新電気会社まで多くの企業が取り扱っています。複数のプランを比較し、自分の生活パターンに合うものを選ぶことが重要です。
割引対象となる設備の有無
電気代の割引対象となる設備には、電気自動車(EV)と充電設備、太陽光発電システム、蓄電池、オール電化機器(エコキュートやIHクッキングヒーター)などがあります。太陽光発電や蓄電池を導入している家庭向けには、自家消費を促進する割引制度もあり、全体の電気代を抑えることが可能です。
また、指定のクレジットカードからのお支払いや、契約の継続で年間の電気代を割り引いてくれる会社もあります。各電力会社によって内容が異なるため、比較して検討しましょう。
ほかの料金プラン
各電力会社で、さまざまな料金プランが用意されています。どの程度安くなるかわからない場合は、各電気会社の公式サイトに用意されているシミュレーションツールを活用しましょう。
現在契約しているアンペア数や月間の電気使用量を入力するだけで、現在のプランとの違いを簡単に調べられます。大体の目安が把握できるため、比較検討の際に役立ちます。
まとめ
kWh(キロワット時)とは、電力の使用量を表す単位で、電気料金の請求書でみられる単位です。電気料金は、基本的にkWhの数値に単価を掛けて決まるため、kWhを減らす=電気代の節約につながります。
近年、電気の値上がりが続いていますが、電気代はポイントさえ押さえれば節約は十分可能です。家電ごとの節電ポイントを意識し、料金プランを見直して節電対策に取り組みましょう。
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